洋服で女性を輝かせるプロ!“やさぐれ”OLからの脱却は「好き」の選択

2019.05.27

山本あきこさん

イキイキと輝いて活躍する女性たち。彼女たちはどう歩んで、どう楽しんで、時にぶつかる壁をどう乗り越えてきたのか?それぞれのストーリーをお届けします。きっとそこから素敵なヒントが見えてくるはず♪

今回は、 個人のお客様を対象に、一人ひとりに合ったコーディネートをパーソナルにアドバイスする、スタイリストの山本あきこさんに直撃!

山本さんの手にかかると外見だけでなく、内面から輝いていく女性たち。そこには、山本さんのテクニックはもちろん、常に笑顔でまさに「輝いている」という言葉がぴったりな山本さんのエネルギーも伝わっているからでは!?そんな彼女の、「服が好き!」という強い思いを仕事にする至ったストーリーや、そこで得た経験など、たっぷりおうかがいします!

頑張っている人がうらやましいのに、それを小バカにしていたやさぐれ時代

自分には何にもないと思っていたから、夢なんて考えたこともなくて

── 山本さんは、常に笑顔で元気に活躍されていらっしゃいますね!勝手な想像なのですが…きっと明確な夢を持って、まっすぐご自身の人生を歩んできたんだろうな、と!

「いえいえ!とんでもないです。実は私、ずっと、自分には才能も何もないって思っていたんです。だから夢なんて考えたこともなくて、かつてはただ家から近いというだけの理由で証券会社に就職したり(笑)」

── 証券会社に!?しかも家に近いからですか!?

「その生活もそれなりに楽しかったんですけど、心のどこかでこれでいいのかな、という満たされない思いがあったんですね。そんな葛藤みたいなものを抱えていたので、どんどんやさぐれていって(笑)。目標や夢を持って頑張っている人を友達と一緒に小バカにしたり…。ただ、うらやましかっただけなのに」

山本あきこさん

私もあっち側の人間になりたいって、スイッチが入ったんです

── 思いとは裏腹に、そういう行動をとってしまうって…わかります!でも、一度やさぐれてしまうと、そこから抜け出すのは余計に大変だったのではないですか?

「そうなんですよ!さらにちょうどその頃、毎日同じ場所で同じ仕事をこなすということ自体が私には向いていないかも、と感じ始めていたので、いろんな感情が入り混じって、本当に悶々とした日々を過ごしていましたね。

悶々とし過ぎたせいか、ようやく『私は本当の気持ちに目を背けていた“こっち側”にいるけど、しっかりと目標を持って仕事をしている“あっち側”の人間になりたい!』という気持ちのスイッチが入ったんです。『自分には何もないと思っていたけど、何かあるかもしれない。私もあっち側の人間になる!』って決めたんです」

「好きかどうか」で動いたら、「楽しい」がそこに待っていた!

好きなことを仕事にするのが、こんなに楽しいなんて!

── まさに一念発起ですね!とはいえ、心に決めてから、そこからどう動けばいいのか想像がつかないのですが、山本さんは具体的にはどうやって行動に起こしたんですか?

「いろいろ考え抜いた結果、昔からおしゃれをすることだけはずっと好きだったなと改めて思い、ファッションの道に進もうと決意しました。当時はギャルファッションの全盛期で影響をたっぷり受けていたこともあり、渋谷にある人気アパレルショップの販売員になろうって(笑)

販売員になってからというもの、毎日がとにかく楽しくてしょうがなくて!好きなことを見つけて仕事にするということが、こんなにも楽しいことなんだなって初めて実感できました

── 「好き」なことはあっても、行動に起こせない人は多いと思いますが、山本さんは、やさぐれた時期を経験して、ダメな自分に気づいたからこそ、ちゃんと考えて行動に移すに至ったんですね!

「この経験から、仕事でもプライベートでも、自分が『好きかどうか』『楽しめるかどうか』を一番に考えて行動しようと心に決めました。人生の最初のターニングポイントになりましたね」

行動したもん勝ち!自分が動けば、道はひらく

山本あきこさん

── ということは、販売員からスタイリストへの転身も、『好き』の先に行きついたのですか?

「そうですね。働いていたショップには、よくスタイリストさんがリースに来ていたのですが、昔からスタイリストという職に漠然と憧れもあって、その仕事ぶりを目の当たりにしたことで、スタイリストになりたいと強く思うようになりました。とはいえ、スタイリストってどうやってなれるんだろう?って、わからなくて(笑)今度はその壁にぶち当たりました」

── また壁ですか!(笑)その次なる壁はどう乗り越えたのでしょうか!?

思い切って声に出して動いたからこそ、チャンスが生まれたんだと思います!

「きっかけは、周りに話したことですね。そもそも夢を人に話すのって、ちょっと恥ずかしいなって思いません?(笑)私はちょっと抵抗があったんですよ」

── はい、自信がないと余計に言いづらかったりします!

「でも、自分の夢を実現するために、周りの知人たちに『スタイリストになりたい』って、思い切って打ち明けたことで、某女性誌の専属スタイリストアシスタントという仕事にめぐり合うことができたんです。自分の気持ちに正直に動いたからこそ、縁が生まれたんだと思います!」

── 勇気と行動で、スタイリストの第一歩をすぐに踏み出せたんですね!

「いえ、それがすぐに飛びつくことはしなかったんです。まず、将来自分がどうなっていたいのかをすべて紙に書き出し、『未来予想図』なるものを作って。例えば、2年後には必ず独立する、お給料はこれくらい欲しい、当時借金があったんですけど(笑)、それも何年以内に返済するとか」

やりたいことや目標をぜんぶ紙に書き出してみたら、自分の思いが整理されるんです

── なんと!目の前にやりたい仕事があるのに、躊躇したんですか!?

「躊躇というわけではないのですが、スタイリストのアシスタントで24歳は遅いスタートだったので、きちんと人生設計をしてみようと思ったんです。自分が選んだり贅沢を言ったりできる立場じゃないのはわかっていたんですが、冷静に紙に書き出すことで、自分の思いが整理されて、目標が明確になったんですよね。それで、ここでアシスタントになろう!としっかりと思えたんです」

── その未来予想図は、クリアできたんですか?

「はい!アシスタントになってからは、本当に忙しかったのですが、とにかく楽しかったし、がむしゃらに頑張りました!2年で独立するとゴールも決めていたので、辛いことも乗り切れたんだと思います」

──『未来予想図』で具体的に目標を書いていくって、自分の頭の中も整理できそうですし、明確なゴールに向けて現在地がわかって、計画も立てやすそうですし、すごくいいですね!自分もやってみようと思いました!

「目標を設定することは大事ですよね!実は、10年以上たった今でも続けているんです。1年の目標を年始に設定し、その年の10月に目標を振り返って、やり残していることを残りの2カ月でできるだけ頑張るんです(笑)。大きな夢や目標でなくてもなんでもいいんですよ。クリアできたということが自信につながるし、また頑張れる原動力になっています!」 

「好きなコト」を軸に向き合うことで、「自分らしさ」が見えてくる!

山本あきこさん

── 念願のスタイリストの道ですが、通常モデルや芸能人、雑誌やテレビ、CMなどのスタイリングがまず思い浮かぶのですが、あえてパーソナルスタイリストという道を選んだのはなぜでしょうか?

「最初は、いわゆる“ザ・スタイリスト”といった感じのカッコいい現場、作品をつくったりする仕事に憧れていて、またありがたいことに、そういうお仕事をいただけていました。それが、東日本大震災後に決まっていた仕事がいくつかなくなったりして、それまで忙しく振り返る時間がなかったのですが、自分自身と向き合う時間ができたんですよね」

── 向き合っていた時間、一番どんなことを考えたんでしょうか?

「『このままでいいのかな』と思うようになり、自分は仕事に何を求めているのか、何に喜びを感じるのかということを改めてじっくりと考えるようになって。モードでカッコいいものを創り上げる撮影も刺激的でしたが、心から楽しいなと思えるのは、雑誌の読者の変身企画といった、人が喜んでいる顔を直接見れた時だな!ということに気がついたんです。  

例えば、読者の方をスタイリングすると、とても喜んで下さり表情がパッと明るくなったりするんですよね。スタイリングで人が素敵に変わるお手伝いができたら、幸せなことなんじゃないかって思ったんです」

どういう自分になりたいのか、自分でもわかっていない方が多いんです

── ご自身と向き合い、とことん「好き」を起点に考え、行きついたんですね!ただ、それまでとは仕事の仕方など、かなり違ったんではないでしょうか?

「そうなんです!(笑)最初は右も左もわからない状態で、そもそもどう始めていいのかもわからなくて、ひとまずブログで告知して、モニターを募ることからスタートしたんです。ワードローブを見せていただいて、コーディネートや買い足すものをご提案したのですが、とても喜んでいただけて、この道を選んで間違いじゃなかったと、すごく励みになりましたね!」

── お客様にとっても、山本さんにスタイリングしてもらうことで、今まで気づいていなかった「好き」に気づけるのかもしれませんね!

「お客様をスタイリングしていると、『自分はどういう服が好きなのか』ということがわからない方が多いんです。でも、ゆっくりと会話をしていくことで、だんだんと『こうなりたい』『これが好き』といったことが明確になっていって。

それは会話をきっかけに、お客様がご自身と向き合ったからこそ見つけられたと思うんです。なので、とことん自分と向き合うことって本当に大切だなって思います」

「~すべき」をやめて、「好き」を選択できるようなお手伝いをしていきたい!

── どういう自分になりたいのかわからない?そういう方たちには、山本さんはどう向き合ってらっしゃるんですか?

「自分に制限をかけてしまっている方がとても多いなと感じるんです。『ママだから汚れてもいい服を着なきゃ』『もう40代だから露出は控えるべき』って。『こうなりたい』とか『これが好き』よりも、『こうあるべき』『こうすべき』を優先してしまうんですよね」

── 確かに、周りでも「これかわいい!けど私は無理だな…」とかよく聞きます!

「それって本当にもったいないことだと思うんです。人にどう見られるかを気にするより、自分が好きなもの、着たいものを着ることが一番!なので、私は、『~すべき』をやめて、『好き』を選択できるようなお手伝いをしていければと思っています」

変わろうと決めた瞬間、女性って細胞から変化するようにキレイになるんです!

── 本当に好きなものに身を包むって、それだけでハッピーな気分になりそうですね!

「しかも女性って、すごいんですよ。年齢がいくつであれ、自分が変わろうと決めた瞬間、まるで細胞から変化するようにどんどんきれいになるし、どんどん魅力的になっていくんです!だから年齢や立場などに縛られることなく、自分の好きを大切にしてほしいですね」

「好き」をとことん追求して自分の道を切り開いていって、「楽しい」を見つけ、周りにも「好き」を気づかせてあげるお手伝いをして、キレイに導く山本さん。自分の「好き」に素直に生きるって、その先の「いいこと」にいっぱいつながりそうで、ワクワクしますね!

プロフィール:山本 あきこ さん
スタイリスト。女性誌や広告など多くのスタイリングを手がけながら、2013年より一般の方に向けたパーソナルスタイリングや、セミナー・講座等を行う「ライフ&ファッションスタイリスト」に。著書に『毎朝、服に迷わない』(ダイヤモンド社)、『いつもの服をそのまま着ているだけなのになぜだかおしゃれになれる』(ダイヤモンド社)等がある。

撮影:花盛友里

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